どうぞ の かご

閑 kandan

「どうぞ の いす」という絵本がある。

 

うさぎさんが、椅子を作った。

「どうぞ の いす」という立て札を立てて、森の原っぱに置いた。

誰でもどうぞ座って下さい というつもりだったのだけど、

最初に、うまがやってきて、

自分が運んでいた、どんぐりの籠を椅子の上に置いてしまう。

 

すると、次に、くまがやってきて、

そのどんぐりを「どうぞ」といわれていると勘違いして

ぜんぶ食べてしまう。

 

申し訳なかったと思ったくまは、

次にここを通るひとのために、

今度は、自分がもっていたハチミツを椅子の上に置いていく。

 

こうして、次々やってきた、動物たちは、

椅子にある、誰かの「どうぞ」をもらっては、

次のひとのために、自分の「どうぞ」を置いていく・・・というお話。

 

★★★★★★★

 

朗読レッスンで、この絵本を読んだとき、

あ。 わたしも、似たようなものを持ってるな、

と気がついた。

わたしのは、「どうぞ の かご」だ。

 

祖母の時代から使っていた

直径20センチくらいの小ぶりな籠で、

丁寧に編まれていて、少し重みがある。

飴色に使い込まれて、

断捨離もどきのことをしても、残ってきた。

 

幼少の頃、祖母の家に預けられていたことがある。

祖母は、土間のある台所にいつもいて、

わたしに、この籠を渡して、紫蘇や三つ葉を

摘んでくるお手伝いをさせてくれた。

 

籠を手渡すと、

かわりに、お菓子を入れて

わたしにくれた。

 

今、

畑を作ってからは、

収穫のとき、この籠がちょうど

手になじんで使いやすく、

ずいぶん活躍してくれている。

 

通りすがりのひとや、ご近所さんに、

もぎたてのお野菜を、この籠に入れて

差し上げることも多い。

貰って、気を遣わせるほどの量も

入らないので、扱いやすい。

 

それでいて、逆に、

「おすそわけ。なにか入れものある?」

と、言われたときに重宝するのも、この籠だ。

 

今朝は、その籠に、黒豆を入れて頂いた。

水やりをしていたときに、

犬の散歩に通るご近所さんに、声をかけた。

 

すると、

いつもは、ご挨拶だけのご近所さんが

引き返してこられて、

「昨日、友達の畑にいってきたの。よかったら。」

と、黒豆を下さり、この籠で受け取った。

 

めぐりめぐって、

誰かの「どうぞ」が、かえってくる。

不思議な籠。

 

あなたには?

「どうぞ」の何かは、ありますか?

 

Ms.OZ こころの隠家 オズハウスにて

コメント

    • ブリキの心
    • 2021.10.31

    “どうぞのかご”と同じようなことを、職場でやっています。
    それは、「どうぞ」の思い遣りの気持ちを言葉として表す事をコミュニケーションに取り入れてみました。
    その気持ちを心良く受け取ってくれる人、共感せず受け取らない人、と様々います。
    職場の価値観は十人十色なので、共感されなくても、仕方ないと理解しつつも、それが繰り返されると、心に堪えるものです。
    そんな気持ちでいた時には、オズハウスで自然や畑とふれあいながら、暖かく穏やかな流れと、最後のコーヒーブレイクで、心をリセットさせてもらいます。

    ブリキの私は、まだまだ心と向き合い中の修行の身。笑
    オズ先生や仲間との優しい時間に癒され、整えているのです。
    昨日もお疲れ様でした、そして、いつもありがとうございます。🍃🍃🍃

    • 素晴らしいですね。そうやって、ひたむきに努力されている姿、見ている人は必ず見ています。
      でも、心ない反応にも堪えますよね。だけどね、ブリキの心さん、リーダーというのは孤独なものですよ。誰とも手を繋げないのが宿命。みんなを見渡せるとはそういうものです。
      いろんな人がいる。ひとりでも、わかってくれる人に出会えればラッキー、そこからがはじまりです。
      私も、こうしたブリキの心さんのようなコメントをもらうとうれしい。でも、何の反応もない人もいるわけです。いちいち気にしていたらもちませんよ 笑。 貴方なら大丈夫。 響き合える人を大切に。

    • ブリキの心
    • 2021.11.01

    仕事に忙殺されると、自然の感動に鈍感になりがちです。
    緩やかで確実な季節の移り変わりや、オズ先生との会話により、戸惑いや心の違和感を調整させてもらえるのが、オズハウスなんです。

    孤独と理解して、無関心を受け流す、しなやかにいられたらと思いつつ、通勤電車にゆられています。🚞

    • いいですね。「たくましく、しなやかに。」が、コロナからスタートした私たち生き方workshopのテーマです。
      近づいていきたいですね。
      お仕事、行ってらっしゃい *^^*/

        • たんぼのかかし
        • 2021.11.18

        私が受験生の時です。試験当日はボールペンを持ってきてくださいの説明がありました。しかし私は忘れてしまいました。するとペンを貸してくれました。直接恩を返したかったのですが返すことができませんでした。なぜかというと私は試験に落ちたからです。もし受かっていたらまた会えたかもしれないなって思いました。
        自分が困っていた時助けてくれるのはすごくうれしいですね。
        誰かが困っていたら今度は私が誰かを助けられたらいいなって思いました。
        相当昔のはなしなので顔も名前もしりません。きっとその彼はこの道で活躍しているのだろうなって思いました。
        わたしが忘れられない入学試験の思い出です

        • いい思い出ですね。その人は、もしかしたら、もう忘れてしまっているかもしれないけれど、親切をもらった人の心には、こんなふうに、いつまでも感謝が残っているものなんですね。私たちもそんな人になりたいものですね。

コメント

CAPTCHA


関連記事

新着記事

TOP