柘榴

庭 uraniwa

今年は、

柘榴が例年になく、

たくさんの実をつけた。

 

でも、最後まで残るのは、

ほんの、ひとつかふたつ。

ほとんど、剪定をしていないせいか

雨が実を腐らせるのか

口を大きく開くまでに、

自らその身を落としてしまう。

 

そんなわが身を諦めたのか

ここ数年は

実になる数をを減らしているようだった。

 

それでも、

よほど、うれしいことがあったのだろう。

この夏の柘榴は、

実りたい情熱が溢れんばかりの

結実ぶりをみせた。

 

仔犬が、尾を振って飼い主に甘えるように

果樹は、豊かに実らせて、育てる者に報おうとする。

 

農園づくりのために、

僕らは、ずいぶんまわりの木の根を痛めたね。

柘榴もまた、

どんなに不安を感じて臨んでいたんだろう。

 

もう、心配しなくていいよ。

僕らは、共生を選んだんだから。

 

たったひとつ残った

ひときわ大きな柘榴が

秋の陽を受け

弾ける時を待っている。

 

Ms.OZ こころの隠家 オズハウスにて

コメント

    • まつ
    • 2021.11.01

    オズ先生のお庭には柘榴の木もあるんですね。
    blogを通してオズ先生の視点をお借りしているようです。柘榴が意思を持って実をつけている、当たり前のようでいて忘れがちになってしまいますね。
    これからもオズ先生の見る世界を見せてくださいね。

    • 私も、いつも優しいまつさんの受けとめに癒されてます。
      そうです。生きているものには、すべて意思があるんですよ。世の中には、音にならない声もあります。
      でも、声である限りは、 耳をすませていたいですね ^^

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