青の匂い

暮 kurashi

庭の百合の下葉をしごくと、

青葉の匂いが鼻をつくことがある。

苦味と青味が混じった、夏草のような匂いだ。

それが、空気の粒子にはじけて、

わたしは、生きているものの呼吸に息をのむ。

 

赤子が泣きながら、その存在を示すように

草木もまた

生きていること

己がここに在ることを

全霊で伝えてくる。

 

庭先から 

いのちを摘み取って

床の間へと受け継ぐ。

 

だから

花を活けるとき

わたしは、自然と正座になる。

 

Ms.OZ こころの隠家 オズハウスにて

 

コメント

    • ふーじ
    • 2021.08.30

    「植物も生きている」と感じるのは、草刈りをしたときです。私の都合で刈るので、草刈りのあとは申し訳ない気持ちになります。
    ですので、大義がないと雑草抜きも本当はしたくないのです。妻に言うと、「無精者」と言われるので、そんなことは言いませんが…

    • あー わかります・・・^^; 草刈は、むせるほど青葉の匂いがしますね。
      私も、表玄関の草に、なんとなく除草剤を使えなくて、草がすぐ伸びてしまうんです。
      雑草という草はない、っていう昭和天皇のお言葉が大好きです。だから、うらにわは、庭が暴れない程度にしか取りません。でも、草類は強いから、抜けば、自分で環境のあったところへ行きますね。その庭にあう草がはえてくれるようになるのが、私は、いちばん好きかなぁ~^^

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