「だいたい、その靴で、畑はできないよね」
開口いちばんに、そう言われた。
自然農法で畑を作る! と決めた私たちのところに、
普及員の方が来られたときのことだ。
今では、畑仕事に長靴はあたりまえだけれど、
そのときの私たちは、
スニーカーやウォーキングシューズ、せいぜい
ショートのレインブーツ。
私でさえ、ね。
「まずは、地面を掘ってみよう」
今度は、わずかに畝の形が残っているところを
普及員の方が、スコップで掘った。
自然農園を作ろうとしているこの場所は、
以前、私の父が有機菜園をしていたのだけれど、
父も高齢になって、半分放置していたところへ、
家のリフォーム工事のために、資材置き場になったりで、
ここ数年すっかり荒れ果てていた。
「まあ、以前、畑だったわけだから、土は柔らかいよね・・・」
普及員の方は、そう言って、少し膨れ上がった土を崩した。
でも、その下の平らな地面に、少しスコップを当てたところで、すぐに
「だめだ、ぜんぜん固い。これじゃ、やっぱり、土づくりからやるしかないよね」
と、言われてしまった。
そういうわけで、それからの私たちは、
土づくりと称するものに向かって
まずは、地面を掘り起こすことから始めるわけなのだが、
これが、まあ、なんとも、
想像をはるかに超えて大変だったのだ。
特に、ウルトラ級に苦労したのが、
隣接する竹藪の地下系を這って、畑に侵入していた「黒竹」の根っこだ。
しつこすぎるほどの生命力!!
掘っても掘っても終わりのない、根の伸びようは
さながら鉄道路線のようで、
しかも、それが、畑のあちこちに出没しまくる。
作業 7 時間。
ひたすら掘り進んでも、成果は、長さ 2m 弱ほど。
かくて、
私たちは、この日を境に
くる日もくる日も
この「黒竹」と、格闘することとなる。
Ms.OZ こころの隠家 オズハウスにて
気の遠く成るような過酷な作業。でも見えないところでも丁寧にすることによってきれいになっていくんだなって思いました
その通りだと思います。だんだん無心になって、、、汗だくでがんばりましたよね! でも、きれいになって、すごい達成感でした。