松の剪定を見上げながら、一日考えたこと。

庭 uraniwa

2年以上、手をつけずにいた松の剪定をした。

小山のように繁って、

門先が、かなり見苦しかったのだけど、

これには理由があった。

 

一昨年の夏、

20年来の友人が亡くなった。

親友と呼び合うような間柄でもなく

性格もほぼ正反対、

でも、妙に気が合った。

 

口数少なく、ぶっきらぼうで、

どっしり大きく、のっしのっしと歩く女庭師。

それでいて、

困ったときには、いつも助けてくれた。

 

心あるひとだった。

「いいことやってるやん。手伝わせてもらうよ」

私が、庭づくりをはじめたとき、

そう言って、庭木の剪定をかってでてくれた。

きっかけは、

共通の友人の紹介だったが、

用意したお金もとらず、

あるときは、床の間に、黙ってお金を置いて帰ってくれていた。

 

彼女が病気になって、木を切る人がいなくなった。

でも、私たちは、彼女の回帰を待っていた。

休養と復帰をくり返しながら

松の剪定を最後に、彼女は旅立った。

 

それから、

次の職人さんを探しながらも

なんとなく、縁がなかった。

 

ところが、今回、

思いがけず、良い方にめぐりあえた。

母子でお越しになり、

息子さんが庭師で、お母さまがお手伝い。

その背中を見上げていると

逝った彼女の後姿と重なった。

 

松は、よみがえったように

いきいきと枝ぶりを見せた。

秋晴れの空に

なんとも伸びやかに映えている。

 

ねえ。

見ていてね、これからも。

私たちはまた、

この庭で、がんばれると思う。

 

Ms.OZ こころの隠家 オズハウスにて

 

 

コメント

    • ふわふわかかし
    • 2021.10.19

    私も庭師の方と一緒に作業をさせていただく機会があったので、今日のお話は胸にぐっとくるものかありました。
    ぶっきらぼうな感じがするけど、決して怖くない方。全く庭のことはわからないまま一生懸命作業していたら、後から私達のことを褒めてくださっていたと聞いて嬉しく思ったのを覚えています。
    庭師の方は仕事としてではなく、心から手伝おうと思って作業してくださっていたのですね。
    たくさんの方の思いが詰まった庭や畑。改めてその大切さを感じました。

    • 人って、つきあううちに、どういう人か本用によくわかりますね。
      今思うと、みんなで一緒に作業ができて、よかったな~と感じます。
      こうして、今日のような話をすると、このような反応が返ってくることに、あらためて幸せだなと思いました。
      ありがとう。

      • おさげライオン
      • 2021.11.26

      読みながら、ジーンと来ました。
      怖そうな方を前にすると、びびりの私は固まりますが、お会いしたかった。
      でも、これから庭作業をする度に、オズ先生からお話しを聴けますよね。
      楽しみです。

    • かあちゃんドロシー
    • 2021.10.19

    私はお会いすることはできませんでしたが、
    皆さんで作業して、それを褒めて下さった話が、すごく印象に残っております。
    とても素敵な方だったのだろうなと思います。
    寂しい思いもあるとは思いますが、新たな良いご縁があったようでよかったです。
    松の木に色んな方との思いが詰まっていきますね。

    • いい話でしたよね。
      また、いつか、その話もブログに書かなきゃ。
      松の木にも、畑の土にも、ここに心をこめた人たちの思いがつまっていて、だから価値があるんだなと思います。
      素敵なことですね。

    • おさげライオン
    • 2021.11.27

    読みながら、ジーンと来ました。
    ステキな庭師さんに私もお会いしたかったー
    といっても人見知りの私はきっと固まっていただろうと思いますが…💦
    これから庭作業をする度に、オズ先生から庭師さんのお話を聴けますよね、聴かせてください。楽しみにしています!

    • ありがとうございます。本当に大好きな友人だったので、そう言っていただけるとうれしいです。
      また時折、お話しましょう♡

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